「断頭台と革命姫」を読んで、首じゃなくて心が落ちた

今日は夢見絵空が書いた「断頭台と革命姫」という小説、そしてそれに含まれた特別短編を読み終わった。その物語はフランスの革命の寸前の頃に設定されていて、承継執行人のサンソンは主人公だ。現実にもその人は処刑執行人だけど、ほかのキャラと展開と同じように現実の歴史と比較したら違いも多い。本格的な殺人事件とかがなくても、ミステリー小説の部分がある。山村以外の者はどの本音を持っているか。若いアンリ・サンソンの一族は昔から承継執行人の役目があった貴族だった。アンリはもう親がなくて、たった一人の従者と一緒に絞首刑や斬首刑を執行する責任を背負っている。この間、先代の王様の弾圧で溢れた政策によって市民の不服、そして苦労が増して、寸前に即位した若いマリー・アントワネットは王族の責任を背負わされる。先代のやり方を嫌ってでも、市民との関係を直すのは無駄そうだ。アンリもマリーも自分が生まれながらにして入れた役目を憎悪しても、仕方がない状況みたいなんだ。
アンリはマリーに慕って、その二人は深く仲良くて、自分の苦労や背負っている負担を分け合っている。しかし革命派は徐々に支援を増して止められない限り王政を排除するような活発な動きが増えてくる。王様として、マリーは革命派の人権宣言を賛同していても犠牲が多くなるはずのやり方を納得できない人だ。革命派が求める平等は残念ながら全ての人間を含めていない。例えばサンソンの褐色の従者、そしてマリー以外ではサンソンのたった一人の友人だ。王政と特権階級が倒されても、どこまでの犠牲が必要か後の国は本当に増しか。ネタバレがないなら、そこまで書くべきだ。ここからネタバレだ。
絞首刑は平民の処刑方法で斬首刑は貴族の処刑方法だ。絞首刑の後も身体は見せしめとして民衆に見せる。マリーはその不平等な扱いは嫌で、そして自分の手で斬首刑を執行するのは残酷な運命だと思うんだ。だから、アンリのために新しい死刑執行方法を作りたいんだ。それは断頭台だ。しかし、読者は最後まで知らないけど、それはマリーの計画の一部だけだ。革命の成功には犠牲がないように何年前から革命に陰から影響を与えていたり、大きい政策を作ったり、そしてもっと大きい負荷や憎しみを背負ったりした。自分の身分や役目は嫌でも、役割を果たして、国家、そしてアンリのためにそこまで自分を犠牲にした。計画の最後は自分の処刑だ(ところで、その状況は別の物語みたいだと思うけどタイトルはここ書かないほうがいい)。しかし、アンリは一番大切な人を殺すわけが納得できない。だって、マリーは実際に悪くなくて、まるで革命派であって、物語中、少しずつ何度も大切なものが奪われたのだ。だから推理小説みたいに探偵になったアンリは最後にそれを明るみに出す。
私にとって、それはハッピーエンドすぎるかもしれないとよく考えた。今もそう思うんだけど、それでも、ある物語の実現は良いと思う。仮に悲劇が起こされたら、それはこの物語の相応しくて悲喜こもごものフィナーレなのにね。マリーの本音を把握できた時は随分早かったし明らかなものだと思った。ミステリーの詳細なら、自分が推理できなかった部分もあるけど。作家の書き方はいい、そしてキャラの感情をよく分かるようになった。読みながら、飽きていることは一切なかったから、毎日もっと読みたい感じがあった。普通にフランスの革命を言えば、正義を求める革命派は悪い貴族たちと不平等な王政を戦って、白黒ばっかりだね。この小説はそれを逆転してもっと灰色の歴史を見せてあげるのは大好き。弾圧される平民の観点も重要だけど、この小説の貴族と王様からの観点は面白くて新しいアプローチだと思って、素敵な選択だ。