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「響け!ユーフォニアム」は心に響かせている

表紙

いつから、この武田綾乃による小説シリーズを読みたかったか。日本語は上手くなりたいと考え、いつかそれを読めるようになりたいとか、その前に無理そうだという考えはよくあった。ぼんやりとあまり練習しないでも満足していた。それでいいと思った。しかし、それはダメだと考えるようになった。本当に上手くなるためにやはり必死な勉強や練習が必要だ。このシリーズのアニメは前に見たことがあり、それを通じて、吹奏楽と日本語の勉強について、そして別々なことをどう考えるか、新しくて素晴らしい思想を身につけた。だからこそ、やっとこの小説を読むのは特別な経験になった。このぼんやりとして儚い快楽を追わず、あえて苦しくて険しい道を選び、そしてそうすると真の幸福を得るという物語。

この物語の舞台は関西地方の宇治。前に行ったことがあるから、作家はその場所を描くたびに、あっ、あそこか、と思って面白かった。特にブルーアワーの大吉山展望台を鑑賞する経験は素晴らしいものだった。

第一巻

この小説は久美子くみこという主人公の新しい高校生活を読者に見せてくれる。物語が進むと、久美子は以前に理解できなかった他人の気持ちが分かるようになる。例え、コンクールでダメ金(進出できない金賞)を取っても、どうしてそんなに悔しい?楽しい青春の思い出を作るのは充分じゃない?それとも、それ以上の目標を作ったら、後悔しないように本当の至福を手に入れるかなあ。それを扱うために、吹奏楽のコンクールのテーマが使われていて、しかし音楽のことは道具として使われただけじゃなくて、作家はそのテーマをよく分かっている感じが伝わってきた。

アニメも知っているから、前に見逃した華々しい伏線も気づいた。最後までの設計がありそうな物語だ。テーマも言い方も、絶対に青春小説だけじゃなくて、もっと渋い物語の作り方だと思っている。私にとって、この小説は特別なものだ。自分の経験やフルート吹きの色眼鏡によるかは分からないけど、興味があったらぜひ読んで下さい。

第二巻

前巻では、北宇治高校吹奏楽部は関西大会へ進出した。この本作も、久美子が主人公だが、ほかの登場人物の事情も描かれ、久美子と麗奈れいな以外の者がこの物語の本格的な出演者になる。作家は幾つかの特別な人間関係を通じて、その展開を築いていた。

一つは社交的なフルートの希美のぞみと無表情のオーボエのみぞれだ。希美の開けた性格とみぞれの誰にも閉ざされた内面。その比較は大きくて、そのせいで、長い間にわたる誤解が生じた。唯一の友人である希美はみぞれとの友情を捨てたのか、という不安が込み上げ、それを怖くなったみぞれは現実を掘り起こさないように、希美と話そうともしなかった。私にとってはあまりにもやたらの状況だったと思うが、物語的には価値が高かったと思う。どちらにせよ、これは私が大好きな「リズと青い鳥」という映画の基礎作りだ。

ところで、副部長のあすかが久美子に「優子ゆうこはただの保険だった」と言ったコメントは正しいのか、シニカルすぎるのかと考えた。実は私もそう思った。結局みぞれは希美以外のことを見られないように思えるからだ。「リズと青い鳥」のその後は別の話だが、それは将来の話だ。

夏紀なつきと希美の関係も興味深かった。夏紀はあまりドラマに巻き込まれない脇役なのに、なぜだか私はこのキャラがとても好きになった。この子の過去と動かされるものを伝えてよかった。それを踏まえると、吹部で演奏していないのに、希美の影響はまさに恐ろしいと思った。残念ながら、いつも通りアニメはその経緯を物語から外した。

最後に久美子と麗奈のこと。いろいろなキャラの答えを見て学んだ後、久美子は、君は誰のために吹いてるのか、という同じ問いを麗奈に聞いた。自分のために吹いてる、という答えは私の心に響いた。仮に自分以外のために吹いていたら、外から与えられた脆い意味になってしまうと思うからだ。台詞は一つだけだったが、この冊で最も印象的なところだった。では、一年生としての最後の巻は次なので、楽しみだ。